光造形3Dプリンターは、本体だけでは運用できません。
安全・後処理・作業効率化のために必要な道具を、工程別に解説します。
これを読めば「どのタイミングでどの道具を使うか」が一目で分かり、初日から安全かつ快適に造形を始められます。
目次
工程別 必要道具一覧
工程 | 主な作業 | 必要な道具 |
---|---|---|
造形準備 | 安全装備・作業台準備 | ニトリル手袋、安全メガネ、トレー |
造形終了直後(後片付け) | プラットフォームから作品を外す | スクレーパー、トレー |
洗浄 | レジンの除去 | 洗浄容器(タッパー or 超音波洗浄機)、アルコール系洗浄液、ピンセット、キムワイプ、漏斗&ストレーナー |
二次硬化 | 強度・寸法安定化 | UV硬化機 |
あと加工 | サポート除去・仕上げ | ニッパー、ミニルーター、キムワイプ |
1. 造形準備で使う道具
ニトリル手袋
- タイミング:造形準備〜あと加工まで常時
- レジン接触による皮膚炎・アレルギー防止。
- 使い捨てでパウダーフリー推奨。

安全メガネ
- タイミング:サポート除去やレジン注入時
- 目的:飛散物や液体の目への侵入を防ぐ。
特にサポート材をにニッパーでカットする際はマストです。
3Dプリンターのサポート材除去だけであれば、下記や100均に売っている安い安全メガネで問題ないです。
シリコンマット & トレー
- タイミング:全工程で作業台保護&一時置き
- 目的:固まったレジンが剥がしやすく、後片付けが楽になる。
汚れた道具を一時的に置くのに使います。何かと便利なので100均の商品で構わないので容易しておいてください。
また、レジンは匂いとベタつきが強いので、トレーにラップを敷いて使用するのがお勧めです。
2. 造形終了直後(後片付け)で使う道具
スクレーパー
- タイミング:造形終了後、プラットフォームから作品を外すとき
- 金属製は固着物に有効、プラスチック製は傷を防げる。
トレー
- タイミング:スクレーパーで外した作品や汚れた道具を置くとき
- 100円ショップ品でOK。ラップを敷けば清掃が楽。
3. 洗浄で使う道具
洗浄容器(タッパー) or 超音波洗浄機
- タイミング:造形物を取り外した直後
- タッパーは3つ用意(1次洗浄→2次洗浄→仕上げ)。
- 超音波洗浄機は時短&隙間洗浄に最適。
アルコール系洗浄液(IPA推奨)
- タイミング:洗浄時
- 水では落ちないベタつきを除去。低臭タイプも選択可。
- 火気厳禁&換気必須。
アルコール系洗浄液は管理が大変。一般のご家庭では「水洗いレジン」をおすすめします。
ピンセット(樹脂製推奨)
- タイミング:洗浄前の異物除去・失敗造形の取り外し
- 金属製はフィルムを傷つけやすいので樹脂製推奨。
uxcell japan

漏斗 & ストレーナー
- タイミング:余ったレジンをボトルに戻すとき
- ストレーナーでゴミ除去、漏斗でこぼれ防止。
漏斗は100円ショップのもので問題ないです。
キムワイプ・キムタオル
- タイミング:洗浄後の拭き取り・機材清掃
- 毛羽立たず、IPAでも型崩れしにくい。
4. 二次硬化で使う道具
UV硬化機
- タイミング:洗浄後すぐ
- 紫外線波長405nm対応、ターンテーブル付きがおすすめ。
- ネイル用でも代用可能だが専用機は均一硬化性に優れる。
少しお金を出せるなら、ELEGOOの洗浄硬化機がおすすめ。ターンテーブル方式で回転しながらUVを当てることができるため、放置して満遍なく硬化できます。また、フィギュアなど大きな造形物で硬化可能。

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5. あと加工で使う道具
ニッパー
- タイミング:二次硬化後のサポート除去
- 小型で刃先が薄いタイプが小物造形に最適。
- FDM方式の3Dプリンターでも確実に使います
やすり・ミニルーター
- タイミング:サポート除去後の表面仕上げ
- フィギュアや滑らかさ重視の造形物に効果的。
まとめ
- 特に手袋・洗浄機・UV硬化機は必須。
- この記事を参考に、必要な道具を揃えてから本体を稼働させよう。
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